オリンパス初代PenFで撮ってみた
(2022年11月)

 今回は趣向を変えまして、オリンパスの初代PenFにて撮影してみます。

 PenFとは、おそらく世界でただひとつの「ハーフサイズ1眼レフカメラ」で昭和38年に発売されました。ハーフサイズというのは、写真1枚で使うフィルムの面積を普通のカメラの半分にして、2倍の枚数撮れるようにしたものです。もちろん画質は落ちますが、フィルムが高価だった時代に、画質を落としてでもたくさん撮りたいとのニーズ(主に業務用写真)に応えたもので昭和30年代に各社が製造し、その後フィルムの価格低減で下火になり、しかし1980年代にフィルムの画質の向上があり「一瞬だけ」各社が対応カメラを開発販売したことがありました。

 そんな中PenFはハーフサイズカメラの構造的にレアな一眼レフ。ピント合わせが実際のレンズを通してできる、つまりレンズ交換に対応できるわけで、当時、天体望遠鏡から顕微鏡まで様々な交換レンズが提供されていました。面白いのが一眼レフカメラ特有の「上側の出っ張り」が無いこと。これは光の経路を曲げるプリズムが普通の1眼レフカメラなら上側についているのを、このPenFでは横向きに本体内に備えているため。

 オリンパスでは最近、小型のミラーレス一眼レフカメラとして「PEN」を販売していますよね。それの源流がこのカメラなのです。

 その1台がこれで、かつて妻のまーじへ送った婚約指輪の返礼として、東京の某中古カメラ店でショーケースに展示販売されていた同機(以前から「欲しいなあ」と目をつけてた)を買ってもらったものです。

 写真で伝わるでしょうか?もう60年近く昔のカメラなのですがものすごく「きれい」です。外側のモールドや内側のモルトの剝がれは皆無。フィルム巻き取りもシャッター機構も、厳密にスピードの測定はしていませんがちゃんと作動します。

 レンズは写真の1つ(Zuiko f=38mm F=1.8)しか持っていないのですが、広角レンズが欲しいところ。

 フィルムは今回はごく一般的なFUJICOLOR100を使います。でも今店頭で1,300円代で売られててびっくり!昔は36枚撮りでも700円ぐらいでしたが。また今は原料入手難により写真用フィルムは品薄が続いていて、ほとんどお店に無く「入荷日未定」という状況。今回近所のカメラのキタムラさんでたまたま入手できました。

 ネガフィルムですがプリントするとお金がかかるのでプリントせず、カメラのキタムラさんで現像だけしてもらい、手元のスキャナで読み込んで白黒反転して使います。

 参考までに、レトロな雰囲気をより味わいたいので画像加工でモノクロームにしてもみました(下記リンク)


白黒写真ふうにしてみたのはこちら

 千葉県のあけぼの山農業公園にやってきました。こちらはキバナコスモスの前にて。古いレンズにハーフサイズフィルムの組み合わせなのでシャープな写真にはならないのですが、それがまた昔っぽいでしょうか?

 こちらは様々な色のコスモス畑。ちょっとだけ時期早かった?あとピントがイマイチなのはレンズが古い以上に、私が老眼でピントが合わせずらい(正直に書くとピンボケ)というのもあります・・・

 何故かある風車。単なる雰囲気出しだと思うが、羽がワイヤーで固定されていますから実は回転できるのだろうか??

 

 公園の中にある日本庭園にて。

 

 茶室「柏泉亭」の茶庭が公開されていましたので、お庭を楽しませて頂きました。

 

 公園に隣接している、布施弁天東海寺。今回は夕方になってしまったので、次回また訪問して中をじっくり拝観させて頂こうと思います。

 自転車で帰り道、流山橋の上から三郷駅方面を撮ってみました。既に暗いので絞りを1.8まで開けて撮ったところ、いまいちスッキリしません。古いレンズなのである程度絞ってやらないとシャープにはならないとわかりました。

 他のスナップは殆どをF5.8で撮っているのですが、F11ぐらいに絞ってシャッタースピードを半分ぐらいに遅くしたほうが綺麗に撮れそうです。


 とある日、夕方の葛西臨海公園にやってきました。

 東京湾を望む海水浴場にて。

 写真にゴースト(現実に無い光)が写ってしまいましたしピントもすっきりしませんが、なるほど、古いレンズにハーフサイズという粗さ故、こういう写真ではノスタルジックな雰囲気が出てイイ感じになるようです。

 

 千葉県の柏の葉公園にて。秋バラの時期でしたので、バラ園にて。

 以前、ダイソーの靴下を使って試作品として作ったワンピースに、これも試作品のつもりで作ったラップスカート(ちょっと凝った構造をしている)を合わせてみました。

 レンズとカメラの性格上、花みたいな華やかさが必要な写真はちょっと苦手かもしれません。どうしても古い写真みたいな色合いになってしまいます。

 

 坂東市の八坂神社にて。

 古写真っぽい出来になるので、古めかしい風景のほうが得意かもしれないと思いました。

 

 画質では今どきのデジカメには遠く及びませんし普段使っているOM-1のような多彩な写真は撮れませんが、ハーフサイズの「たくさん撮れる」と古いレンズの「ノスタルジックな写り」を活かせば面白い写真が撮れる可能性がありそうです。



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