インナー制作③普段用ドット柄セット

 普段着用に、飾りの少ないちょっと子供っぽいものを作ってみました。さらに、紙おむつのような構造でなく、普通に伸ばして履かせる構造をとりいれています。




■材料・パーツをつくる

生地

 今回はアクセントとしてドット柄にしてみたいと思いますが・・こんな小さな水玉の生地など探しても無く。以前も使ったポリエステル・ポリウレタン混紡のストレッチ生地を染めて作ることにしました。といっても、化繊を染めるのは大変だし、そもそも綺麗にプリントしようとしたらスクリーン型も必要。

 いろいろ考えて、小さな穴がたくさん開いたスクリーンを使って、ホビー用のスプレー塗料で縫ってしまうという作戦を考えました。で、「小さな穴がたくさん開いた板」を100円ショップなどで探しましたが上手いものがなく・・・

 写真の緑色っぽい板は、わかる人にはお馴染みの電子工作用ユニバーサル基板です。八潮の秋月電子さんで、20cm四方ぐらいの大きさのものでいちばん安いもの(特売みたいで¥300ぐらいで売ってた)を買い求めました。これを布に載せてスプレーしただけだと、布が膨らんで離れ、ボヤけてしまいます。

 そこで背面に板をあてがいます。板と基板の間に布を挟んでネジで固定しスプレーするのです。手で持ってスプレーできるように割りばしで持ち手を作っています。スプレーはダイソーで売ってるものを使用。注意点として上から真っすぐ噴射しないと色がうまくつきません。

※これは片面ガラエポで\300ぐらいで売ってた。電子工作経験ない方なら、アマゾン等で「ユニバーサル基板」で検索し、小さな穴が多数開いているようなものを選んでください。材質とか片面両面とかありますが、何でも良いです。

 できた生地(の一部)はこんな感じです。左上の穴はネジで固定した部分。

アジャスター類

 ストラップのアジャスター類は前回はプラ板を切り出して作りましたが、今回は別の方法を試してみます。ダイソーで手作りアクセサリー用の「UVレジン」を買ってきましてこれで作ってみます。

 レジン液とは別にレジン加工用のシリコン樹脂シートも買ってこれを型にします。型抜きはデザインナイフのほか、丸いカーブをつくるため空き缶から板を切り出し研いで1mmぐらいに曲げた抜き型を使いました。型を10円玉の間に写っているゴミみたいなものも型の一部で、アジャスター内側の穴を作ります。

 テストしたパーツがこれ。いちおう本物っぽく8の字になっています。青いUVレジンでパーツを作ります。

パッド

 ブラジャーのパッドです。これは形を良くすることのほか、胸に固定する意味でつくります。

 スーパーアクションジェニーはABS樹脂でできていて硬いので、ブラジャーをつけても本物の人間のように身体を縛ることができず、上着を着せるときに滑って動いてしまいます。そこでカップの内側を「滑らない素材」で作っておく方法を考えました。

 いろいろ探したところ、ダイソーでこれを発見(使いかけ写真です)。

 80度のお湯で柔らかくなるエラストマー樹脂です。これをお湯で温めていちど薄い板状に伸ばし、その後、ビー玉の表面で伸ばし、さらにジェニーの服飾品についてたボディ(透明なプラスチックのやつ)で形を整えて三角形に切り出しました。

 ちなみにこの「お湯でやわらかくなる粘土」、かなり指紋がつきます。なので上のほうに写っている同じくダイソーのUVレジンコーナーで売ってるシリコンシートを買ってきて、これで挟んで伸ばすとくっつかず平らになるので良いです。

 完成したあとの写真ですが、こんな感じ。これがABSのジェニーボディに想定以上にかなりくっつきます。※注意:樹脂と樹脂はくっつけたまま数年放置すると互いの薬品が混ざり合って合体してしまうことがあります。着せたまま数年放置は無いでしょうけれど。

■ブラジャーを作る(Part2)

型紙

 以前作った型紙を参考にドロー系ソフト(OpenOffice DRAW)で型紙を作成し、紙で着せて調整します。できあがった型紙がこれ。ちなみに型紙のベルトは今回(伸縮性のある生地とスーパーアクションジェニー)に合わせてますが、生地やお人形にあわせ調整してください。下記イメージのマス目は5mmです。PDFファイルにはマス目は入っていませんが、5cmの尺を書き込んでいますので印刷時調整してください。

型紙データ(PDF)


カップ

 型紙をシール紙に印刷し、裁断前に「ダーツ用」だけ切り抜いておきます。残りのカップとベルトは生地に貼り付け生地と紙を同時に裁断します。こうすると切りやすく裁断面がきれいにできます。

 カップは型紙で切り抜いた後、シール紙から剥離し、ダーツ用型紙を貼り付けて空いた三角形部分を折り曲げてダーツを縫います。


 ダーツを縫ったら型紙を外し、アイロンでクセを付けるのですが、小さいのでなかなか上手くいきません。そこで私はアイロン後、写真のようにジェニーの服飾品についてたボディを2枚重ねにして間に挟み込み、1週間ほど放置してクセをつけました。

ベルト

 同様に型紙から布を剥がして、端を折り返して縫い代を縫っていきます。カップをとりつける部分だけはそのままにしておきます。

 なお縫う前に(カップも無い状態で)いったんボディに着せてみて、ベルトの長さを調整しておきます。ベルトの端の部分はあとでマジックテープを取り付けこれをほつれ止めに流用するので切りっぱなしです。と言っても私の場合、全て裁断した直後に焼き止め(「ワンピースを作ってみた」参照)していますが。

ストラップ

 今回は、幅2mmのテープを見つけてきたのでこれを使います。ワンポイントの意味で水色のものを選びました。

全体の縫い合わせ

 ベルトの、残した縫い代の部分にカップを縫い付けます。さきほどカップに入れたダーツは、こんなふうに見えます。なお、伸びない生地の場合ベルト側の縫い代に多少切り込みを入れてから縫うと良いでしょう。カップの上端にUVレジンで作ったタブを縫い付けます。私の場合、写真のようにフリルと縫い合わせるようにとりつけました。ストラップにはアジャスターがついていますが、今回のは長さ調整できない「ダミー」です。

 後ろ側です。同様にベルトにタブを縫い付けて、ストラップは折り返して縫い合わせ固定しています。

 今回は留め金でなくマジックテープ(メカニカルファスナー)を用いて固定する方式にしました。

■ショーツを作る(Part3)

型紙

 同様に、以前作った型紙を参考にドロー系ソフト(OpenOffice DRAW)で型紙を作成し紙で着せて調整します。今回は紙おむつのように合わせるのでなく直接着せる構造にするため、裁断した布をボンドで貼り合わせただけのものでテストしました。

 できあがった型紙がこれ。「Default」と「Long」とあります。「Default」はスーパーアクションジェニーのボディにピッタリのサイズ。ただしこれでも実際作るとゴムを入れなければユルユルです。「Long」はゴムを入れて着せたときに少し弛みが出て柔らかく見えるように、ウェストやわたりを少し長めにしたものです。今回はLongを使って作ります。なお型紙の記載で点線ができあがりサイズ、一点鎖線は、縫いしろが均等にできるようにこのサイズに型紙を切り抜いて合わせるためのものです。

型紙データ(PDF)


裁断・縫製

 ブラと違って構造は単純なので縫いやすければ手順はどうでも良いのですが、私の場合、①クロッチ縫い合わせ ②裏返して左右縫い合わせ ③ウェスト縫いしろ&腰ゴム縫い付け(レジロン糸返し縫い) ④脚口縫いしろ(レジロン糸ジグザグ縫い) の順で縫い付けました。

 ウェストと脚口を上手く縫うため、写真の治具を作りました。段ボールに爪楊枝を差し込んだものです。爪楊枝の指す位置を変えることで長さや張り具合を調整します。ウェストの腰ゴムには、ストレッチレース(細い糸ゴムが織り込んである)の一部を切り出してゴムひも代わりにしています。これを予め輪ゴム状に縫い合わせて置き、写真の治具で伸ばしてウェストに縫い合わせました。

 脚口のほうは伸縮性のあるレジロン糸をジグザグに縫いつつ、都度引っ張って、脚口を絞っています。


 こんな感じです。

 ウェストはかなり絞りましたが緩い感じです。が、あまり強くゴムを効かせるとジェニーの絞られたウェストのため上に上に全体を引っ張ってしまいますから、多少加減しています。

 リボンっぽい飾りはブラのストラップに使ったテープを細く切ったもの、青いフリルは、もともと白いフリルテープをマジックインキをシンナーで薄めたもので染色したものです。


できあがり

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